白銀のカルマ

好きな人が幸せになろうとしているのに、何故素直に祝福できない?

一度は勝手な都合で『一緒にいたい』と懇願するあいつを遠ざけた自分にはささやかな願いを持つことすら烏滸がましいはずだ。

それなのにどうして、あいつと言う存在にこだわる?

固執する?

法廷で嫌になるほど、失明したことを聞かされた。

けれど証言台に立っていた頃の俺は神経が麻痺していたのか、復讐を終えた達成感と高揚感以外これと言った感情が見当たらず、自分の犯した罪を背負って生きていく覚悟はあっても、悔悟の涙など流すつもりなどさらさらなかった。

どれだけ人に非難され罵倒され、例え殺されたとしても。

これまで一切感情を露わにすることがなかった俺が、今となってはどうしようもない感情に支配され泣きじゃくっている。

複雑に絡み合う感情をどう解けば良いのか分からず、終始混乱したままだ。

「あぁ……あぁ……ッ」

空高く旋回する頭上の鳥は、男の泣き声をかき消すように鳴き声をあげた。