「…優一は彼を守るために…犯人と揉み合って…」
〝おっ、おい、お前、誰だ……ッ!?やめろ、やめろ…っ!″
〝…その人を殺さないで…ッ!″
自分の目の前で犯人と揉み合う優一の存在に理解が及ばず呆気に取られる水森だったが、途端に危険を感じ、格闘を続ける二人の仲裁に入った。
必死の格闘の甲斐あって何とか 後藤田から拳銃を取り上げたが、最悪の事態が起きてしまう。
「…拳銃が暴発したんです。息子の目の前で…」
〝優一!優一!″
顔面血まみれとなった優一の名前を必死で何度も繰り返すが、やはり意識はなかった。
心臓マッサージ、止血、人工呼吸等の応急処置と搬送先の医師らの懸命な治療の甲斐あって優一は無事一命を取り留めたが、依然として出血が酷く病院にかけつけた同じ血液型の母や妹、搬送先の入院患者から輸血を募った。
数日間生死の境を彷徨った後、意識は回復したが彼の目に光が戻ることは二度となかった。
「……ごめんなさいね。千沙子さんも朝から送迎からあの子の身の回りの世話で走り回ってお疲れでしょうに……私ったらついこんな暗い話をしてしまって……」
「…………」
「よく考えてみたら今日は私があの子の本当の両親のコンサートを聴きに行った日なの……。あの子のコンサート初日にこんな話をするなんて何かの縁かしらね……全く」
ついつい感極まり息子の身に起きた悲惨な過去を回顧し嘆いてしまった母。
新たにヘルパーとして雇われるようになった昇の高校の教え子・吉岡千沙子は、首を横に数回振り否定した。
「いえ、思い出すのも辛いであろう過去を私の前でお話してくれて……ありがとうございます。改めて彼をサポートしていく決心がつきました」
「……千沙子さん……」
あれから5年。月日は流れたがそれぞれが負った傷が癒える事はなかった。
〝おっ、おい、お前、誰だ……ッ!?やめろ、やめろ…っ!″
〝…その人を殺さないで…ッ!″
自分の目の前で犯人と揉み合う優一の存在に理解が及ばず呆気に取られる水森だったが、途端に危険を感じ、格闘を続ける二人の仲裁に入った。
必死の格闘の甲斐あって何とか 後藤田から拳銃を取り上げたが、最悪の事態が起きてしまう。
「…拳銃が暴発したんです。息子の目の前で…」
〝優一!優一!″
顔面血まみれとなった優一の名前を必死で何度も繰り返すが、やはり意識はなかった。
心臓マッサージ、止血、人工呼吸等の応急処置と搬送先の医師らの懸命な治療の甲斐あって優一は無事一命を取り留めたが、依然として出血が酷く病院にかけつけた同じ血液型の母や妹、搬送先の入院患者から輸血を募った。
数日間生死の境を彷徨った後、意識は回復したが彼の目に光が戻ることは二度となかった。
「……ごめんなさいね。千沙子さんも朝から送迎からあの子の身の回りの世話で走り回ってお疲れでしょうに……私ったらついこんな暗い話をしてしまって……」
「…………」
「よく考えてみたら今日は私があの子の本当の両親のコンサートを聴きに行った日なの……。あの子のコンサート初日にこんな話をするなんて何かの縁かしらね……全く」
ついつい感極まり息子の身に起きた悲惨な過去を回顧し嘆いてしまった母。
新たにヘルパーとして雇われるようになった昇の高校の教え子・吉岡千沙子は、首を横に数回振り否定した。
「いえ、思い出すのも辛いであろう過去を私の前でお話してくれて……ありがとうございます。改めて彼をサポートしていく決心がつきました」
「……千沙子さん……」
あれから5年。月日は流れたがそれぞれが負った傷が癒える事はなかった。
