白銀のカルマ

『やめろ、やめてくれー!』

後藤田の言葉と共に、初めの犯行を回想する翼。

真っ黒な装いに般若の面を付け、千鳥足で呑気に歩く奴の跡を付けた。

気づかれぬよう少しずつ距離を詰めた後、背後からハンマーで軽く頭を殴ると、その場に倒れ込んだ隙に馬乗りになり何度も何度も顔を殴りつけた。

『はぁっ…はぁっ…はぁっ…』

端正な顔立ちをしていた顔面は、僅か数分の間のうちに腫れあがり、見るも無残な血まみれの化け物に変貌を遂げた。

意識も薄かったので、そのまま近くの草むらに放置しようと考えていた時だった。

『んー、んー、んー……』

『!!』

油断した一瞬を突かれる。

不覚にも付けていた般若面を触られてしまい、血が付着したのだ。

やばい。足が付く。

不足の事態に遭遇し、動転した翼は計画半ばでその場で放置すると、そのまま逃げ帰った。

「……お前もなかなか酷いことをするよなぁ。結構人気の読者モデルだったんだぞ?」

「………」

「商売道具の顔はぐちゃぐちゃ、おまけに親父も逮捕されてさ。……多分死刑だろうなぁ、あいつの父親」