白銀のカルマ

「………田宮にもこんなことをやったのか?」

「………暴力?」

「………あの例のいじめの件だ」

「……あー、あれか。暴力……っていうか。……樋渡がさぁ、すっげぇ、楽しそうに自分の親父の殺人について話をするからさぁ、俺もそそられちゃってよ(笑)それで人間を撃ってみたらどうなるか、ちょっと遊びでやってみただけだよ」

田宮に対して加えた暴力を〝遊び″と称する後藤田。

後藤田はこんな状況でも一切反省などしていなかった。

「あぁ言っとくけど誰でも良いってわけじゃないぜ?俺らのやることにいちいち難癖をつけてきたり、妊娠したから認知しろだの、食って掛かってくる奴が大体標的(マト)になるだけだから」

自分の標的になる人間のタイプについて好き勝手語る後藤田。

彼の愚行について注意喚起を促した田宮も痴情のもつれで、口論になった女性も殺されたのは単に邪魔だったから。

正論であろうとなかろうと、彼の逆鱗に触れた物は容赦なく傷めつけられ最悪命まで取られてしまうのだ。

その代表的な犠牲者がこの二人であったと言っても過言ではないだろう。

「………俺を断罪しようってか?そんなの無駄だぞ。他所から犯人を引っ張ってきたら済む話だからな」

彼が犯罪を恐れないのには、理由があった。

父親が意のままに操れる警察関係者や、自分達一家の下僕のような病院関係者が後ろについているからだった。

「…俺のこと今解放してくれるって言うんなら二階堂の件も、親父や知り合いに頼んで揉み消してやってもいいんだぜ」

「………」

「てか、あれお前なんだろ?」

後藤田は悪友の二階堂に瀕死の重傷を負わせたのが水森であることを知っていた。

意識が回復した頃、見舞いも兼ねて例の襲撃事件について色々聞き出したのだと言う。

「…お前顔を見られてたみたいだな」