白銀のカルマ

「……彼の話によると水森氏はクラスで孤立気味でね。いじめ加害者らとあまり仲が良くなかったそうだ。何故だか分からないが、水森氏の友人が目をつけられてしまって…」

警察の捜査が入っていたため、口外禁止だったが新任教師から聞いた水森氏の話を香織にのみ明かすことにした。

水森氏は学業優秀だったが、無口で無愛想で誰にも心を開かず、ほとんどクラスメイトとも距離があったが、クラス委員とだけは意思の疎通があったのだと言う。

そのクラス委員の名前は、田宮剛。

成績は常にトップクラス。
彼は母子家庭で育ち、女手一つで育ててくれた母に恩返ししようと懸命に勉強にも励み、県内屈指の中高一貫校に進学。

クラス委員を務める傍ら生徒会にも所属し、クラスメイトだけでなく教師からも一目を置かれる存在だった。

しかし彼は高校2年の頃、学校近くの川に飛び込み自ら命を絶った。

遺書などが一切出てこないことから、他殺の可能性も疑われたがそれは最終的に却下された。

「被害者は前々から、いじめ加害者と一緒にいたっていう証言もあったんだけどさ、そいつらの親が全員医療従事者とか警察とか政治家とか地位のある奴ばっかりだったらしいんだよ」

「やっぱり揉み消されたってこと……?」