白銀のカルマ

「……でもね安心して。私は拷問なんて一切受けていないから」

核心に迫るこの証言に、流石の樋渡も口を噤んだ。

しかしこれ以上嘘を突き通せないと観念したのか、先程までの往生際の悪さはまるで嘘のように、無駄な言い訳や黙秘の一切を辞め、これまでの悪事について自白し始めた。

当初は樋渡が真相をきちんと喋るか半信半疑だったが、二人の証言は最初から最後までどこを照らし合わせても完全に一致し、死亡原因は他殺と事故の複合的なものであったことが判明した。

被疑者死亡により完全な証言を得ることはこれまで不可能だったが、英が20年かけて集めた資料は今この瞬間に鮮明なものへと変わった。

「………優莉花は本当に可哀想な子」

自分達の死の真相について語り終えた後、恵莉花は妹が自死した日のことについても改めて語り始めた。

『……優莉花ちゃん、大丈夫だよ。救急車すぐに来るからね』

篤彦は、薄れゆく意識の優莉花の手を握った。

しかし刺し傷は深く出血も酷かったため、助かる見込みは非常に低かった。

『………お姉ちゃん?………篤彦さん………』

『もう喋らないで、優莉花』

最期の力を振り絞り、必死で何かを伝えようとする妹。

そんな妹を喋らせまいと、必死で努力する姉だったが、妹は制止を振り払ってまで、二人に伝えておかなくてはならないことがあった。