白銀のカルマ

「どうなんだよ?そこんとこ。お前も俺と一緒だろ」

断崖絶壁まで追い詰められた樋渡は、まるで自爆テロを起こすように幹枝が過去に起こした軽犯罪について暴露した。

「恵にも協力してもらってたんだろ?」

〝恵″と言う名前を聞いた瞬間、目の色が変わる美幸。

「何のことですか?幹枝さん、協力って……」

「母さん……ちゃんと答えて」

恵に何を協力させていたのか、美幸と優一は知りたがったが幹枝はそれ以上何も言葉が出てこなかった。

「ほら、答えてやれよ。知りたがってるぞ、子どもが」

形勢逆転したのをいいことに自らの犯罪歴を棚に上げ、幹枝の過去を蒸し返し、追い詰める樋渡。

「……私は……私は……」

幹枝は必死で言葉を探したが、見つからない。

たった一言で大人しくなったその姿を見て、美幸も一緒に動揺した。

あれ程、目の前の罪人を責めたてていたというのに。

これじゃまるで、偽善者じゃないか。

幹枝を責めたてる言葉が美幸の脳内に響き渡った。

「ほら言えよ。『私は、京塚恵莉花さんの悪評を世間にばら撒き、目撃した元使用人の佐竹恵さんを脅して、中傷ビラを一緒にばら撒かせました』って。そもそもお前らそういう会話してたよな?」

滝川家の身辺を嗅ぎまわり、報復することだけを目標に生きてきた樋渡は二人が電信柱やブロック塀に中傷ビラを貼ったりばら撒いているところをたまたま目撃したと言う。