白銀のカルマ

「結局お前も同じだよな、あのオカマと」

「は?」

「お前、稲倉を知ってるよな?」

「稲倉…?あいつがどうかしたの…?」

「大麻所持をお咎めなしにしてやる代わりに、中傷ビラをばら撒くように指示したのは俺だってことまだ言ってなかったっけ?」

激しく詰め寄られ、行き場を失くした樋渡は、わざと怒りを誘うような話題を出して幹枝を煽った。

「こんな時にふざけてんじゃないわよ!」

「ふざけてねぇよ。本当のこと言ってやってんだよ。やっぱり判断力の鈍ってる奴のやることは似たり寄ったりだなって。…レイプ事件の主犯、実はあれお前なんだろ」

「⁉︎」

明らかに動揺している姿が面白かったのか、触れられたくない過去に更に踏み込む樋渡。


「知ってるぞ、お前は篤彦を愛してた。けど、篤彦は他の女とデキてたのが許せず不良グループに頼んで……」

その言葉を聞いた途端、さっきまでの勢いが失速し、代わりに鼓動が激しく脈を打った。

思い出すだけで汗が止まらない。

泣き寝入りして終わるだろうと、高を括っていたあの事件。

しかし彼女はそんなに弱くなく、あの事件から一週間後、恵莉花から全ての話を聞いた父と兄は、関わった人間全員に敵討ちを行うため滝川家に乗り込むと幹枝に謝罪を要求した。

『…恵莉花ちゃんは多分処女じゃないですよ』

『あ?』

『恵莉花ちゃんは…うちの兄とキスしてました。クリスマスの夜もおそらく…』

『そんなこと今聞いてんじゃねぇよ!!ちゃんと謝れって言ってんだ!!!』

反省するどころか、開き直る幹枝。

そんな幹枝の胸倉を掴むと、和明は激しく揺さぶった。

口惜しさと憎しみの感情に埋め尽くされた幹枝は、怒鳴られた後、更に滝のように涙を流したがどれだけ詰め寄られても怯むことなく恵莉花の兄や父に挑発を続けた。

『……聞いてみたらいいじゃないですか。本人に〝直接″』