白銀のカルマ

別荘の敷地に侵入してきた犬に、庭の土を掘り起こされるなんて思ってもみなかった。

捜査を進めていくうちに行方不明になっていた人物のインプラントが、一致したことで、それ以降警察の捜査の手が入るようになる。

かつて自分が新聞記者を滝川家の床下に隠したことを思い出した樋渡は、確実に証拠隠滅をするため、恵の知人から彼女の情報を買い、異性としても好意的な態度で
近づいた。

風貌が美しい恵は異性に言い寄られることには慣れていたが、自分に近寄る理由の裏に例の屋敷があるような気がしてならず、なかなか樋渡に心を開かなかった。

時間をどれだけかけても自分に靡かない恵に業を煮やした樋渡は、その後とんでもない暴挙に出る。

『………何故そこまで俺を嫌がる?』

『………あなたは絶対にあの屋敷には入れません』

『………やっぱりな。レイプ事件も中傷ビラ事件もその口の堅さ故……か』

『!?』

音声だけだったが一瞬、恵が怯んだのが分かった。

その隙に恵から鍵の入った鞄を奪い取ろうとする樋渡。

『……黙って寄越せ……ッ!!』

『いやっ……ダメ……っ!!』

二人は暫く揉み合ったが、『キャァアッ!!』と言う悲鳴のすぐ後に重みのある鈍い音が響いた。