白銀のカルマ

「………え………。どういうことですか?」

動揺しながらも、さっきの発言の真意について問い質す優一。

しかし、顔色一つ変えることなく「どうしたもこうしたも何も。良い時間稼ぎになっただろ」と依然として飄々としていた。

「あれだけ愛し合ったのに……?」

予想だにしなかった答えを前に奈落の底へ突き落とされた優一の目は、どんどん涙で潤んでいく。

どれだけ冷たくあしらわれようとも、必死で理由を知ろうとする真っ直ぐな姿を流石に可哀想だと思ったのか頑なに噤んだその口を開き、今の純粋な胸の内を語った。

「…嫌いになったわけじゃない」

「………え………?」

「……でもどうしても一緒にはいられないんだ……」

それが嘘か本当かは本人しか分からないことだったが、彼が苦しそうに何かを飲み込んでいるのが何となく分かった。

本当は一緒にいられない具体的な理由が欲しかったが、それは今聞いてはならないものだと悟ると無理やり胸の奥に押し込めた。

「………分かりました。今日中に荷物まとめて出て行きます。………今までありがとうございました」

深々と頭を下げ、重く冷たい不自由な足を引きずりながら、自分の荷物をまとめようとしたその時だった。

「え……?」

突然出て行こうとする優一の腕をいきなり引っ張ると、自分の胸に抱き寄せた。

彼は終始無言だったが、改めてこれが彼自身の答えだと理解すると背中に手を回し暫くの間、無言で抱擁した。