白銀のカルマ

「香織……?」

「………香……織………?……香織……?今まで………辛い思いさせて………ごめんね………」

「………確かにそうだけど、母さんが謝ることじゃないわ」

「………いいえ………私が……もっと…しっかりしていれば………」

「……母さん」

母は父の犯した過ちや嘘に苦しめられ続けた。

父は自分の両親や身内を守って死んだとしてメディアは父の死を英雄死と称えたが二重生活をしていたことが発覚した途端、世間は手のひらを返すように彼の不貞をバッシングした。

何の落ち度もない母が次は高貴の目に晒され京都に隠居した後も相変わらず噂話のネタにされ続けたことでなかなか気を許せる知り合いが出来なかった。

そして何より十字架を背負って生まれてきた娘のことをいつも気にかけていた。

いくら家族や病院を守るためだったとは言え犠牲になった人の命の重さを考えれば父の罪は永遠に消えることはないだろうし遺族のことを考えればそう簡単に許すことは出来ない。

しかし息絶え絶えの母を前に父を許すか許さないか選択を迫られているようだった。