白銀のカルマ

「……おかえり」

「……ただいま」

香織は23:30頃、京都にある自宅に帰宅した。

妻より一足先に帰宅した夫・昇。

予想した通り顔色はあまり良くなかった。
本当は弱音も吐きたいところだろうが余計な心配をかけたくないのかほとんど言葉を発することなく就寝した。

(……ママ……。大丈夫なのか)

元々自分の感情を口にしない性分であるがゆえに他人と壁を作りやすい香織が母の再婚相手と疎遠気味だったことを昇は知っていた。

養父は香織と実子を分け隔てなく接しくれたと言っていたが完全に打ち解けることなく養父は5年前に逝去。

義弟ともあまり連絡を取り合ってなかった中での突然の肉親の危篤の知らせ。

大人の事情で常に振り回され世間の荒波に揉まれてきた香織の心がそう簡単に折れるとは思っていなかったが肉親との別れで冷静に要られる人間はそういない。

妻のメンタルを気にかけつつも自分の書斎で就寝することにした。