白銀のカルマ

「……結構濡れたな……」

次は出来る限り濡れぬよう雨風凌げそうな屋根のある建物で身を隠しながら彷徨ったが完全に防水することは出来ず雨に自ら打たれた自分の行いを後悔しつつ高架下で湿った上着を乾かしていた時だった。

「ん?」

雨が降りしきる路上で倒れている人らしき物が目に入った。

いや、人らしき物じゃない。あれはどう見ても人だ。

まさか行き倒れているのか?それとも……。

良からぬことが頭に浮かぶ。
もし人命に関わることなら濡れる心配など
している場合ではない。

千明は雨を振り切り倒れている人の所に駆け寄った。

「大丈夫ですか!?」

「ん……」

雨の中で倒れていた人は見た目から判断するにホームレスだった。

角質の硬くなった手を伸ばし人の力を借りて起き上がろうとしたが千明は一瞬その手を握ることを躊躇するも一人で立ち上がれそうもないので仕方なくその手を貸した。

「……あぁ……悪いね……」

本当は高架下から動きたくなかったがホームレス曰く"穴場"があるらしくどうしてもそこに行きたいということでそこまで一緒に歩いていくことにした。