白銀のカルマ

千明は後ろを振り返る。

そこには休暇を楽しむ親子連れがいた。

父親と一緒に滑り台を滑る子ども。

滑って降りてきた子どもの頭を撫でる母親。

今見てもああいう光景はどこか恨めしい。

その感情はおそらく課題で書いた家族の絵をクラスメイトにからかわれた経験に帰属するのだろう。

小学生の頃よく〝何でおばあちゃんが授業参観にいつも来てるんだよ″と言われたものだ。

その時の自分は何を言われても黙り込み胸に口惜しさを滲ませるだけだった。

7歳の子どもに両親がいなくなった理由をうまく話せるわけもなくあっても話せるような内容ではない。

年齢を重ねるにつれ周囲も他人に気を遣えるようになり他所の家庭について触れてくる人はうんと減ったがやっぱり自分は家族を知らない人種であり周囲と違いすぎることが今でも悩みなのだ。

「はぁ……。」

深いため息をつく。

やっと地に足がついたと思ったのにまた失くしてしまった。