白銀のカルマ

『………きゃっ』
『………ありがとう』
『?』

目を潤ませながら恵莉花に抱き着き何度も何度も礼を言う篤彦。

勝手に抱いてきた印象や感情が消えてからと言うもの二人のよそよそしい他人行儀な関係は解消された。

奪われた時間を取り戻すように休日は篤彦と息子らでどこかへ出かけるなどまるで『家族』や『夫婦』のように外出やデートを楽しんだ。

『……奥さん、いるんでしょ。いいの?』

『……もういいんだ。あんなのどうでもいい。……君がいるから。』

恵莉花と関係を持つたびに正直離婚調停中の彼の妻帯者や妹の顔が頭に浮かび胸が相当痛んだがそれでも彼との幸せを望んだ。

お見合いで結婚したと言う妻は第一印象は良好だったがいざ生活をしてみると全く違った。

満足に家事もこなせないのに夫の稼いだ金を湯水のように使い不倫相手と遊ぶ費用にも充てるなど非常に金遣いが荒かった。

〝今日は戻らないから!″

そのフレーズを聞くたびに萎えていく篤彦の気持ち。

自分をぞんざいに扱い無関心な妻が自分にこれまでやってきた仕打ちをそっくりそのまま返すように恵莉花と関係を持った。

普段なら反吐が出そうになる不貞行為も一切気が咎めなかった。