白銀のカルマ

『………やっぱりそうか………』

『私もびっくりしたわ、あの時は』

覚悟はしていたようだが聞き終わった後、暫く頭を抱え俯いた。

『………篤彦さんは心当たりはあったの?妹さんが自分に特別な感情を抱いてるって……』

『……あぁ、あったよ。でも何となく……ね』

『何となく……』

妹が自分に対し好意を抱いていたというのは薄々気づいていたがそれを認めたくなかったのだろう。

『……普通、あり得ないだろう。兄と妹が結婚だなんて』

『………まぁ、そうよね。普通わね。……けど千明……あの子は、私と兄との間の子なのよね』

『何だって……!?』

彼は恵莉花の息子の出生を聞いて驚くと否定的な発言をしてしまったことをすかさず詫びた。

でもきょうだい間でそう言った関係にならないことが望ましいと私は補足した。

『………いや、でも、そんな普通じゃないなんて排除するような言い方は……』

『…いや、もうね。普通じゃないことに慣れたの。私の父は元貴族のフランス人だったから母と結婚出来なかったしその母は妻帯者と浮気して他人の家庭を引っ掻き回したわけでしょ。唯一の肉親である妹とは一つ屋根の下で暮らしてもまだ他人同然の関係だしね』

『あぁ、優莉花ちゃん……』

『私より篤彦さんの方が親しいんじゃないですか?』

『………そうかも』

『……一つ屋根の下にいるって言うのにね。この前、初めて部屋を尋ねたらギロッと睨まれちゃったわよ。〝何しに来たんですか″って。まぁ、さすがに実の妹にそう言われると結構心に来るわよねぇ。』

篤彦の動きが止まった。

自分も恵莉花と状況は違えど妹と確執がある。

その事実を否定することも目を逸らすことも出来ない。

自分はその現実に向き合っているようなふりだけしていつもそこから逃げ出していた。でも恵莉花は逃げたり臆したりせず向き合っている。