嬉しいと思った自分が悔しかった。

まだ好きだと自覚して、怖くなった。

私はこれ以上、傷つきたくなかった。



「......三葉、久しぶり。大丈夫?」

そういった彼に

「竹内くん…?

どうしてお見舞いに来てくれたの?」

そう返した。


彼は悲しそうに眉を下げて、

「蒼って、もう呼んでくれないんだね。」

と言う。思わず「蒼、来てくれてありがとう。」

そう言いかけた。だけど私は決めたから。



「蒼って、言ったことありました?

1回生の時以来、話したことないですよね?」












記憶を失った、『フリ』をした。