わたし、今何しているんだっけ。
もう、今がどんな状況かも、何がどうなってるのかも、何も分からないや。

でも、分からないことに不思議と焦らなかった。
なんとかなる。

そして、一体ここはどこなんだろう。
……あっ。少しずつ、視界がはっきりしてきたような気がする。

あっ、小さい頃に住んでいた家。



「輝美」



ん? 誰かが私を呼んでいる。
あっ、この声はお母さんだ。



「おかあさん?」



変だなあ、いつもより声が高い気がする。

あれ、なんだか急にあったかくなってきた。
見ると……わたし、お母さんに抱っこされている。しかも、体もずいぶんちっちゃくなっちゃっている。

後ろを見ると、わたしを抱っこしているお母さんはとっても優しく微笑んでいた。



「おかあさん!」



「見てごらん、輝美」



お母さんは、空を見上げている。



「わあ、おほしさまだ……!」



「お星さま、とても綺麗ね」



わたしはあの時と同じように、うん、うんと頷いた。



「あっ、お父さんも来たみたいよ」



「おとうさん?」



「輝美」



男の人の声が聞こえて、後ろを見ると確かにお父さんだった。



「おとうさん!」



「本当にきれいな星空だなあ。なあ、和華子、輝美」



「うん!」



お母さんは、急に抱いていたわたしをおろした。

その途端、わたしの体がキラキラと輝き出したのがわかった。