「じゃあね!」
「明日ねー!」
「バイバーイ!」
わたし達は、それぞれの帰り道を歩いた。
はぁ、はぁ……。
か、間接キスなんて……。
間接キスなんて、しちゃった……!
暑い。
ソフトクリームを食べていて、舌に冷たさはまだ残っているはずなのに……。
とてつもなく、心が暑い。
「どうしたの、輝美? 顔が赤いわよ」
玄関に入るなり、おばさんにそう聞かれた。
「おばさっ……」
「もしかして、好きな男の子と何かあったの? ああー、輝美が好きになったんだからきっと素敵な彼に違いないわぁ」
おばさんは、そう嬉しそうに笑った。
好きな男の子って、素敵な彼って……!
頭の中で思わずリフレインさせて、させればさせるほどこそばゆくなっちゃう。
「もう、好きな人のこと? だとしたら、今日は何があったのよ。教えてよ」
おばさんがこんな調子じゃ、ますます言えないよ。
『好きな人と、お互いのソフトクリームを舐めてて。間接キス、になっちゃったの……」
なんてことを、もしおばさんに言ったら。
ああ、考えるだけでもすごく照れちゃう!
「受験勉強してくるからっ!」
わたしは、おばさんを押し退けて部屋の方に行った。



