お前にはかなわない


すると丁度陽向の親が出てきたところだった。

「こんにちは。この度は俺のせいでこんなことになってしまい、すみませんでした。」

そう言って勢いよく頭を下げた。

「………」

陽向の親は顔を見合わせた後、お母さんが口を開いた。

「千宙くん顔を上げてちょうだい。あなたのせいなんかじゃないわ。」

俺はすっと顔を上げた。

「千宙くん」

「…はい」

「陽向にあっていかない?…千宙くんさえ良ければ」

「良いんですか!?」

「ええ、きっと陽向も喜ぶわ。」

陽向の親に連れられてようやく陽向に会うことができた。

俺は陽向の小さく華奢な手を握り、

「陽向…陽向ごめん、ごめんな。」と呟いた。

今の俺にはそれが精一杯だった。