お前にはかなわない



それから何時間が経っただろう。

出てきた陽向はさっきとは打って変わって出血のない綺麗な肌。

それでいて、たくさんのカーゼをまとった身。

すぐ陽向に駆け寄ったが、

「紬陽向様の御家族の方ですか?」

「いえ。そいつと親しくさせて頂いてる者で」

「御家族以外の方との面会は承れませんので」

医師はそう告げて去っていった。

それはあまりにも残酷すぎた。

陽向はすぐそこにいるのに、手を伸ばせば届く距離にお前は居るのに、そこに寄り添い手を握ることすら許されない。

俺は涙をぐっとこらえ、無気力になったまま病室へと戻った。