君の子守唄

「あぁ~!
もう行くぞ。」

強引に寧々の手を引いて、一団から離れると

さっさと車に乗り込み、次の目的地を目指す。

「彰人君、みんな着いてきてるよぅ。」

後ろを見ながら、訴える寧々。

くそっ、アイツ等。

車を脇に止めて、文句を言いに降りると。

「彰人君、こっちおいで~」と兄貴に手招きされた。

車に近づくと、同じく車から降りた兄貴に思いっきり殴られた。

「これは、全員からのエールだ!
心して寧々を扱えよ。」

「寧々のこと、今度こそお願いね。」

「もう泣かせても、助けないからね。」

「年齢を考えて行動しろよ。」と

年の差二周り。

まだやっと高校生の寧々。

恋だと気づいたのも、ホンの数時間前だ。

反対されて当たり前の恋愛を

これ程後押ししてくれる。

それはみんな、寧々が大切だから。

小さい時から、淋しく悲しい思いをしてきた彼女。

だけど今は、こんなに沢山の愛情に満たされている。

この人達に託された彼女の笑顔を………

俺はこれからずっと守っていかなくてはならない。

「あぁ。
大切にするよ。」

託されたバトンをしっかりと受け取り。

寧々の待つ車に、帰って行った。