「短気で俺様で、ちょっと悪い奴。
ちょっと年上だけど、優しくて温かい人。
お泊まりデートをしてて
洋介達からも信用がある。
それで…………泣いたのが。
帰ったら、洋介達を怒ってやる。
俺はお前と結婚なんてしない……………。
……………………………。」

「鈍い彰人君も、ようやく分かったみたいだな。
お前は、妹だ姪だと思い込んでいたから
寧々の気持ちに気づかなかったんだ。
お前以外の全員が気づいてたのにな。
言ったでしょ、泣かせるなって。
彰人ならいいって、みんな思ってるんだぞ。」

洋介の奴が、ゴチャゴチャ言っているが…………

正直何も入ってこない。

寧々の好きな人が……………俺??

言われたら、確かに全てが当てはまる。

旅行もデートも何度だってしたし、お泊まりだって数えきれない。

憎たらしいが

短気で俺様で、ちょっと悪いかもしれない。

ちょっとっていうかぁ…………

かなり年上で。

優しく温かい人かは分からないが、寧々には誰よりそうしてきた。

………………………好きな人が………俺?!

嘘だろうと思うが

さっき1年生の時泣きじゃくった事を思い出したばかりだ。

あの時も『彰人君にもらったマフラー!!』と言っていた。

………………たぶん………絶対…………。

好きな人は…………俺だ。