「寧々、スマン。
洋介達が変なことを言って、困らせてるんだろう。
帰ったら、怒ってやるから安心しろ。
誰が何と言っても、俺はお前と結婚なんてしないからな。」

これで寧々の安心した笑顔が見える!!

…………と思ったら………………。

ポロポロと大粒の涙を溢し始めた。

………………………………???…………………………。

「ヒドイ!!
分かってるよ!
だから自分で卒業するって言ったじゃない。
なのにどうしてそんなこと言うの!
もう、彰人君なんて大っ嫌い!!」

ちょうど地上に降りた観覧車から

泣きながら飛び出した寧々。

「おいっ!ちょっと待て。」

慌てて追いかける俺の顔を見て

ニヤニヤ笑う、キップ切りのオヤジ。

クソッ。

訳もわからず追いかけるが

三十代後ちょっとで終わりの俺が、十代半ばの女の子を追いかけるのは

至難の技だ。

こんな事なら、サボらずジムに行っとけば良かった。

兄貴は、咲が妊娠してから『子供の運動会の為』と

通い始めている。

何処に行った??

おばさんにもあれ程頼まれたのに……………。

携帯を鳴らしても、繋がる事はない。

ホテルに電話して、寧々が着いたら連絡が欲しいと頼み

パークに呼び出しをかけてもらった。

一時間………二時間と過ぎ

入り口で待ってみても………寧々は現れない。