「寧々、ペンギンのエサをやってみるか?」

園内放送で、30分後にエサやり体験が出来ると言っていたらしく

ビデオ係りの兄貴が記録に納めたいと誘っている。

「ペンギン、やりたぁい!!」

甲高い、子供独特の声をあげ

ピョンピョンジャンプして答える寧々。

その表情すら残したいと

兄貴と洋介はしゃがみこむ態勢で撮っている。

「ヨシッ、まだ30分あるから彰人…………並べ。
寧々は、パパと咲ちゃんとお土産を買いに行こうね~」

スッカリパパで定着した兄貴は

社長の権限を最大限使って、俺に命令してきた。

普段は忙しく、一番関われないからなぁ。

兄貴と買い物だと、沢山買ってやれるから良いか。

たかが30分だしと諦めていたら。

「いや、みんなで並ぶ!」と

子供ならではの発想で、正しい意見を述べていた。

子供には、ズルや妥協はないみたいだ。

これには兄貴も。

「そうだよなぁ。
せっかくみんなで来たんだもんな………一緒が良いよな。」と

寧々に諭され大反省。

可哀想に思った咲が

「寧々ちゃん
パパは順番こで待ったらいいよって教えてくれたんだよ。
ここは狭いからね。」とフォローする。

まぁ、現実は違うけどな。