「寧々、これを見ろ。」

「ワァ!キレイ。」

パソコンに映るのは、沖縄の海。

「次は……………これが分かるか?」

「………………………パンダ??」

仕事の合間に、色々な風景や動物・食べ物等を見せている。

「あき君、これは?」

寧々は、洋介の事は『よう兄ちゃん』と呼ぶのに

俺の事は『あき君』と呼んでいる。

因みに、兄貴の事は『パパ』だ。

咲がからかって教えたら、思いの外気に入ったみたいで

『ぱぁぱ』と少し甘えた呼び方をしている。

これには兄貴の方が気に入り、目尻を下げている。



寧々が指した画面は、水族館。

「水族館。
寧々、魚がいっぱいいるところ行った事ない?」

「うん。」

「だったら、今度の休みは行くかぁ。」

「やったぁ!!
パパとよう兄ちゃんと咲ちゃんも行く??」

あれ以来このメンバーがお気に入りだ。

特に咲は、幼稚園の先生らしく子供の扱いも上手いから

寧々は大好きになった。

洋介の話によると

寧々の母親は、ネグレクトだった。

家の中はゴミ屋敷。

ご飯もインスタントを食べたり食べなかったり。

自分は、着飾って飲みに行く事もあり

まだ幼い寧々は、一人で留守番することもあった。

夜中に目を覚まして、母親を探し

表に出たところを保護されたらしい。