「えっ」
「どしたの?ぼーっとして」
運転席からミラー越しに
こっちを見てる香奈さん。
「あっ…いや」
「雪ちゃん…無事でよかったね?」
「あっ…はい」
「雪ちゃんのことどうするの?」
「どうって…」
「施設に戻すの?」
「そのつもりですけど…」
「引きとろうとは思わない?」
「でも…俺」
「お金が心配なの?
ならあたしがどうにかするから
雪ちゃんの側にいてあげたら?」
側って…。
「出会って4日であれだけ光輝に
なついてたんだよ?
普通の子だったらありえないんじゃない?
よっぽど光輝に心許してるって
ことでしょ」
「でも…」
「…いいよ。引きとらなくて
後悔しても知らないからね」



