「大丈夫。
今、部下達が全て処分している。
香奈から家具類も全て処分するように
言われてるから安心して」
「あっ…はい。ありがとうござ…」
「雪?」
雪の瞳からこぼれだす涙。
「雪…もう大丈夫だから」
俺は壊れそうな雪を抱きしめた。
そりゃつらかったよな…。
あんなことされてたら…。
しばらく雪はその場で泣き続けた。
暗い通りには雪の泣き叫ぶ声だけが
響いてた。
香奈さんの家に帰る途中
安心したのか、泣きつかれたのか
眠った雪。
俺の肩にもたれかかって閉じたまぶたには
少し涙が残ってる。
これで…雪ともお別れか。
たった4日間だったけど
楽しくなかったっていうと嘘になる。
いや…。
疲れたけど…楽しかった。
お別れ…。
「光輝?」



