半年前…。
全然気づかなかった。
でも…。
思ったより傷ついてない。
ショックはショックだけど…。
そこまでじゃない…。
「あっ。やべぇ」
「えっ?」
「わりぃ瞳!俺急いでたんだ!
ここら辺に中学生の女の子いなかった?」
「え?ううん?」
「そっか…。じゃあまたな。留学頑張れ」
「うん…」
俺はバイクに乗りエンジンをかけて
出発しようとした時、
「あっ!!…こうちゃん!犬が…」
「え?何!?」
エンジンの音で聞こえねぇ。
ヘルメットをとって
もう1回聞きなおした。
「あっ…なんでもない!」
そう言って大きく手をふる瞳を
ミラーごしにのぞいた。



