「園長先生に頼まれたんだ。
せめてこの事件が解決するまで
預かっててくれって」
雪は何も言わずまた服を整理しだした。
「悪いな。
でも、松田の事件が解決すれば安心して
施設戻れるだろ?
あっそれかここに養女に入れば?」
俺の言葉に反応して手を止めた。
俺は雪に近寄って雪の側で続けた。
「ここの家の人みんないい人だし。
雪、なんか気に入ってもらってる
みたいだし。
ここなら何不自由なく暮らせる…」
ばちっ
話の途中で途切れた俺の声。
叩いた雪の手に叩かれた俺の頬。
泣きそうに俺をにらむ雪。
「なんだよ!痛てぇな!」
「…さいてぇ」
そう言い部屋に広げてた
ブランド品をそのままにして
俺を見ずに勢いよく扉をしめた。
「ったく…なんなんだよ」
あぁ~いってぇ。
雪に叩かれた頬をさすっているうちに
だんだん腹がたってきた。
俺は雪のために1日中頑張った。



