「分かった。やってみるよ。
ちょっと署に行ってくる」
「お願いします」
俺は克樹さんに頭をさげた。
そして、克樹さんが部屋を出て行った
と、同時に口を開く。
「あの…おじさん。おばさん。
いきなり尋ねておいてあれなんですけど…
お願いしたいことがあるんです」
「どうした?何でも言いなさい」
「…あの。松田が逮捕されるまで
雪、安心して外にも出られないと
思うんです。さっきだって松田の部下に
追われたんで。だから、この事件が
落ち着くまでここで預かって
もらえませんか?」
俺の言葉でおじさんとおばさんは
お互いに顔を見合わせた。
「まぁ…。別に私達はかまわないけど
光輝くんはどうするの?」
「俺は…適当にどこかにいますから」
「いや。光輝。お前もここにいなさい。
部下にお前の顔が知られてると
お前だって何をされるか分からない」
「それに…もうこの場所。
松田にばれてるしね?」
「え?」
いつのまにか窓のとこに立ってた
香奈さんは窓の外を見ながら
つぶやいた。
俺は急いで香奈さんのとこに駆け寄り
窓から外をのぞいた。
門の外にさっき追いかけてきた
松田の部下の車が止まってる。



