「…ひどい」
香奈さんが口を開いた。
「まだ中学生の女の子にそんなことを
するなんて。なんて男…」
「ほんとに可愛そう…
つらかったでしょうね」
おばさんが雪をなでた。
その様子を横目で見ながら俺は続ける。
「あと…雪が松田に襲われた
ことなんですけど。
実は雪、松田の秘密を知ったから
襲われたらしいんです。口封じのために」
「口封じ?秘密って…何を見つけたの?」
おばさんが雪に尋ねた。
「…欠陥住宅を売ってる…
裏事業の資料とか…その…」
雪がもごもごと話してる時、
今まで口を開かなかった
克樹さんが口を開いた。
「…雪ちゃん。その松田って、
松田不動産会社の社長の松田?」
「あっ…はい。そうですけど」
「はぁ…まさかこんなに小さい子を
巻き込んでたなんて…」
「…どういう意味ですか?」
「あの男は…俺達警察が
今追ってる男なんだ」
「警察!?」



