「雪ちゃん?……山村?
光輝って妹いたっけ?」
俺の方をちらっと見る香奈さん。
「そのことも話しますんで
おじさんとおばさんと…克樹さんも
呼んでいただけますか?」
「わかった。じゃあリビングに行ってて」
「はい。雪、行くぞ」
「う、うん…」
全員がそろったところでソファーに座り
俺は説明をした。
「えっと…。雪。こちらが橘財閥の社長の
橘克己(たちばなかつみ)さん。
こちらが奥さんの香織(かおり)さん。
こちらが息子さんの克樹(かつき)さん。
それで…この子は俺が預かってる雪です」
「預かってる?」
香奈さんが反応した。
俺は雪と出逢ったこと。
そして…雪が松田に襲われたことを
話した。
本当はあんなこと…
まだ出逢って間もない人たちに
話されたくないと思うけど
この人達なら信用できるから…。
全て話し終わるとおばさんと香奈さんは
雪の隣に座り守るように抱きしめた。



