「愛莉さま。降りてください」
「愛莉さま」
必死に雪に呼びかける男2人。
けど、俺は無視。
「雪。ヘルメットしっかりかぶってろ…。
少し飛ばすからな」
「え…」
「おいお前。愛莉さまをこっちに渡せ」
「ほしいなら無理やり奪えば?」
そう言うと困った顔をした男達。
まぁ、ここは人通りの多い場所だから
大騒ぎをすれば誰かがくるしな…。
松田ってやつの下で働くやつなら
少しは頭よさそうだし…。
無理やりは出来ないだろ?
「奪えないなら…その手はなして
もらっていいっすか?
汚い手で触られると…
こっちも迷惑なんすよね」
「なっ!!」
「そこどかないと…死ぬよ?」
ブルルルルッ
俺はびびってる男達の間を突っ走った。
ミラーを見ると後ろであわててる男達。



