「光輝」
トイレからでてきた雪は
黒色のダウンジャケット。
中には薄い紫と白のボーダーの
ニットワンピにタイツをはいて、
モコモコのブーツ。
茶色の手編み風マフラーを
巻いてでてきた。
「いいじゃん。じゃ、帰るか!!」
「ねぇ。なんなの?」
「あっ。さっき着てた服は?」
俺が質問に答えなかったからか
ちょっと不機嫌に袋に入ってる
服を俺に差し出した。
「これ全部捨てていいか?」
「!?…なんで?」
「なんか想い出の物とか
大切なものとかあるのか?」
「ないけど…」
「じゃあ捨てるぞ?」
雪は小さくうなずいた。
俺はそれを確認してゴミ箱に全て捨てて、
「よし。雪帰るぞ」
雪の腕を引っ張った。
「ねぇ光輝!なんでこんなことするの?」



