「そうだが…なんであんたは
愛莉ちゃんのこと雪と呼んどるんじゃ?」
「雪が…名前無いから勝手につけてって」
「そうか…あんたのこと
気に入ったらしいな」
は?
「愛莉ちゃんから話は聞いとる。
私はここの桜園の園長で
田中寿樹(たなかとしき)。」
「俺は…山村光輝です」
「光輝くん。あんた愛莉ちゃんを
引き取ってくれるらしいのぉ」
「まっ、まさか!!」
「じゃが…愛莉ちゃんを家に連れて行って
いろいろと面倒を見てくれた
らしいじゃないか」
「それは…仕方なく」
「仕方なく?」
「はい…」
俺はイブの夜とその次の日のことを
話した。
「なるほど…そこまで逃げてたのか…」
「あの…逃げるって?
雪も誰かに見つかるとか言ってたんすけど
どういうことなんですか?」
「…よく聞くんだぞ。
光輝くんをここに連れて来た
ということは光輝くん、
あんたに引き取ってもらうために
連れて来たに違いない」



