よっこいせと言ってその人は
立ち上がった。
「まぁこんなとこで話すのもなんじゃ。
私の部屋に行こう」
そう言われて和室の部屋に案内された。
「今お茶でもだすからゆっくり
しててくれ」
「あっ。おかまいなく」
見るからに優しそうな人だなぁ。
あの人が園長先生か。
ってか…雪の本名って愛莉って
いうのかな…。
名前あるなら言えばいいのに。
そう思いながら部屋を見渡した。
光がさす大きな出窓にはいくつもの
写真立てがあり、この園の子供達
らしき写真が飾ってある。
その中に見つけた。
セーラー服を着て園の子供と
写真の中で笑ってる雪の姿。
「これ…」
「それはな…今年の4月にみんなで
撮ったんものじゃ。
入学の子もいれば進級の子もおる」
奥のキッチンからお茶を持ってきた
園長先生はおぼんを机に
置きながら教えてくれた。
「これ…雪ですよね?」



