「あっ…。元カノ」
そう言いながら俺はバイクのヘルメットを
雪に渡した。
「何?」
「何って…ヘルメット。知らないの?」
「知ってるけど…」
「まぁ、元カノが使ってたやつだけど
危ないからちゃんと被ってろよ」
「あ…うん」
そう言い、雪はヘルメットをかぶって
バイクの後ろにまたがった。
俺はそれを確認してから
エンジンをかけて走り出した。
家を出発してから1時間弱。
「光輝ストップ!!」
雪の案内でたどりついた場所は
4階だての小さな寮みたいな場所。
門の横の表札には【桜園】と書いてあり、
門から建物までの通りには
色とりどりの花が花壇に咲いてる。
「到着っと♪光輝行くよ!」
「あぁ…」
門を入った瞬間…正直俺は驚いた。



