雪を抱きしめたまま香奈さんに聞いた。



「うん…体中ひどくうったみたいで
今お医者さんが見てるとこ。
命には問題ないと思うって言ってた
みたいだけど…はっきりとしたことは
みんなも分からないみたい」



俺と一緒に広場に撮影に行っていた
滝さんと瞳と他のスタッフ達を
見てそう言った。



「そうですか…」



そう返事をすると俺の胸に顔をうずめる
雪の顔に触れた。



「雪?」



そう言いながら雪の顔を俺に向けた。



「悲しいのは分かるけど、
泣いたって何も始まらないよ」



自分の服や手で雪の涙を拭きながら
そう言った。



「宮さんは俺がちゃんと助けた。
どんなにひどい怪我をしてたって
宮さんは死んだりしてないから」



何の根拠も無いし…自信も無い。



けど、これ以上雪に泣いてほしくない。



「…光…輝…」



「だから安心しろ。もう泣くな」



「…うん」



「これ以上泣いたら可愛い顔が
台無しだぞ?」



「ははっ…うん…分かった」