「光輝さん?」



「え?…あ、悪い」



ぼーっとしてた…。



「準備出来たか?」



「あとちょっと…でも、
もう宮さん呼んでも大丈夫そうですよ」



「あ、じゃあ俺呼んでくるよ」



スタッフにそう言い持っていたカメラを
置いて宮さんのとこにかけよった。



「宮さん、準備できました」



「あぁ、分かった」



返事をした宮さんは手に持っていた
ボールを子供たちに投げた。



「あっ…」



けど、宮さんが投げたボールを子供は
うまくキャッチ出来ずにそのまま
ボールは道路へ転がっていった。



「ごめんごめん。
おじさんが取ってくるよ」



道路に走っていった宮さん。



その瞬間すぐ側の曲がり角から
1台のトラック。



「危ないっっ!!」



俺は思わず宮さんの元へ走り出した。



ボールを拾い体を起こした宮さんは
トラックの存在に気付いていない。