安心した表情の香奈さん。
「そろそろ撮影終わるから、
雪ちゃん起こさないと」
「あ、はい。雪?」
俺にもたれてる雪の体をゆする。
「んっ…あれ?あたし…」
まだ完全に目が覚めてない雪の顔を
覗き込み、
「雪ちゃん顔ひどいわね…目真っ赤よ?」
と言いながら雪を立たせる。
「おいで。ちゃんと直しておかないと」
鏡の前に座らせて道具を出して
雪の顔を整える。
「…まぁこれでなんとかなるでしょ。
じゃあ早く帰る支度して…
そんな顔じゃ撮影なんて出来ないしね」
「…はい、ありがとうざいました」
香奈さんにお辞儀をしてかばんを
手に取った雪は扉の前で足をとめ
俺を見つめた。
…そんな顔…。
「じゃあ…またな」
「好きだよ光輝。覚えてて」
「俺も…」
俺に小さく笑うと楽屋から出て行った。



