「何だこれ?…あっ!」
「おはようございます香奈さん」
「おはよう…あれ?
どうしたのそのニット帽」
俺の被っているニット帽を
指差す香奈さん。
「光輝がニット帽被ってるとこ
初めて見たな。何かあったの?」
「これ…雪からもらったんです」
ニット帽を触りながら言った。
「雪ちゃんに?」
「はい…一昨年のクリスマスに。
去年はおそろいのネックレスにしたから
ガードに気付かれちゃうし、
これだったら雪に気づいてもらえると
思って」
「そっか」
「俺は十字架のピアスあげたんです。
だから…もし雪がピアスをつけてきて
くれたらって」
「いいんじゃない?
2人にしか分からないしね。
よしっ…それいっつも被ってなさい。
肌身離さず持ってるのよ」
俺の肩に手を置いてきた香奈さんに、
「分かってます」
と答えた。



