「わんわんわん!!」
リビングから聞こえていた雪の声は
今は無く、モカの声だけが響く。
「…モカ」
「わんわんわんわん!!」
「今思えば…香奈さんの結婚式で宮モカが
雪に妙になついてったっけ?」
…本当に。
雪は…あの宮聡の娘なんだ。
「くぅ~ん…」
「おなか減っただろ?
今用意するから待ってろ」
俺はジャケットをソファーに置いた。
≪もう光輝!
ちゃんとハンガーにかけてよね!≫
「わりぃ!雪…」
…まただ。
また聞こえる雪の声。
「分かったよ。ハンガーだろ…」
俺は寝室にあるクローゼットから
ハンガーをとりに行った。
「ハンガー…ハンガー…」
あれ?…この袋…。



