Seven...KOKI



「それから?」



「私とマネージャーはすぐに車から
降りて助けに行った。
しかし…私と衝突しそうになった車は
それを見て逃げてしまったんだ」



なんだよそれ…。



「そんなことより衝突した彼を
助ける方が先だった。
救急車と警察をすぐに呼んだが…
病院に着くころには手遅れでね。
しばらくして警察から連絡を受けた
高嶋が来たよ。
まさか亡くなった父親と再会するなんて
夢にも思っていなかっただろう。
ひどく混乱していた。
行き場の無い悲しみを私にぶつけてきた」



「え?」



「彼は事故の真実に耳を傾けず、
その場にいた私とマネージャーの
せいだと言ってきた」



「そんな…だって事故じゃないですか」



「事故だよ…完全に。
けど…彼にはそんなことはどうでもいい。
父親が亡くなったんだ…冷静になんて
なれるはずがない。
私はそんな彼をほおっておけなかった。
父親が亡くなり1人ぼっちになった
彼のことを」



「それで高嶋は…」



「私が引き取ることにしたよ。
私の家で面倒を見ると
…そこまでは良かった」



そう言った宮さんは表情を変えた。



「彼は落ち着いた時気がついたんだろう。
私が俳優の宮聡ということに…。
そしてそんな私に要求してきた」



「要求って…まさか芸能界デビュー?」



「山村雪との婚約だ」