「なんで昨日あそこにいたのか。
なんで家に帰りたくないのか」
「…」
「なんで泣いてたのか」
そう言った瞬間、
女の子の瞳からは涙がこぼれた。
「…あっ…私」
「話したくないなら今はいいから…」
そう言って頭をなでた。
「ぐすっ…私…あのっ」
「もういいから」
頭を撫でながら抱きしめた。
「うっ…ぐすっ…私…怖かった」
体が震えてる。
体が冷たい。
「暗…暗くて…寒くて…怖くて…」
「分かった…。ごめん。
追い出してごめん。だからもう泣くな」
「ふぇっ…」
「怖かったな。もう大丈夫だから。
俺が守ってやるから」
そのまま女の子は泣き続けた。
どかんの中には泣き声だけが響いてた。
「落ち着いたか?」



