…泣いてる?
そりゃそっか。
「…愛莉ちゃん」
雪に近づく丈のお母さん。
「今日はありがとう。
今活躍してるみたいね?
雑誌で見つけたときびっくりしちゃった」
「…はい」
「ちょっと遠いけどまたいつでも
お墓参り来てあげてね」
今度は丈のお父さんが雪に近づく。
「はい。毎年来ます」
「それと…これなんだけど」
そう言って丈のお母さんが
かばんから出したもの。
なんだ?…1冊の本みたいなもの。
「これ…」
「あたし達にはもう必要ないと思うの。
何度も読んだし。
もし良かったら愛莉ちゃんに
持っててもらいたいんだけど…」
「そんな!あたしなんかに…」
「まだ子供だった丈にとってあなたは
心から愛した女性よ?
だからあなたに持っててもらいたいの」
「…でも」
「それに…」



