静かにうなずく。
俺は女の子の手を握った。
冷たくて、小刻みに震えてる。
そっと頬に触れると
びっくとして俺を見つめた。
「…痛かったか?」
「…痛かった」
震える唇でつぶやいた。
口から漏れる白い息。
唇も手と同じく小刻みに震えてる。
「…俺の手も…痛かった」
頬から右手を離して開いた。
俺の右手をじっと見つめてる。
「悪かった」
「え…」
「…警察とか…施設行こうなんて。
出てけみたいなこと行ってごめんな?」
じっと俺を見つめる。
「居ていいから…。
家に帰りたくないなら居てもいい。
けど、ちゃんと事情を話してくれ。
今日じゃなくてもいいから…
ゆっくりでいいから」
「じ…じょう?」



