あの子どこいったんだ?
ってか俺、何心配してんだよ…。
出てけって言ったのは俺なのに…。
「テレビテレビ…」
テレビをつけたらちょうど
お笑い番組だった。
でも…なんか笑えねぇ…。
内容なんか頭に入らない。
さっきあの子をぶった右手が痛む。
あの子の泣きそうな顔が頭から離れない。
手が…。
「…いってぇな…」
痛い…。
ぎゅっと右手を握った。
「やっぱり…」
俺は立ち上がりダウンを着ながら
玄関を飛び出した。
もう10時。
こんな時間にうろちょろしてたら
絶対からまれる。
警察に保護されてればいいけど…。
「おーい!!えっと…」



