「香奈さんに分かってるってことは…
当然渡部さんも分かってますよね?
なのになんで渡部さんは
滝さんをアシスタントにして
瞳に任せたんですか?」
「あたしにそこまで分からないけど…
試してるんじゃない?」
「は?」
「人間なんだから失敗は誰にでもある。
1回失敗したくらいで切り捨てたりは
いくら渡部さんでもしないと思うよ?
でも…留学先でも失敗。
帰ってきたSevenでも失敗して
自信失くしたりなんかしたら即首でしょ」
「首!?」
「かわいそうだけどそれがこの世界だし、
そんな人いてもSevenの為に
ならないしね」
そんな…。
「ほら、無駄口はここまで。
雪ちゃん来たんだから準備しないと」
「あ…やべっ」
急いで自分の持ち場に戻ろうとした時、
「ちょっと!!待ちなさいよ!!」
後ろから聞こえた声。
瞳の甲高い声…それに続いて
聞こえたスタッフの声。
「ちょっ…雪ちゃん!?成田さん!?」
声のする方を見ると楽屋の方へ走る雪に、
それを追いかける瞳。
その後ろにスタッフがついていく。



