さっき配られた企画書をぺちぺち
叩きながら言う渡部さん。
「うちのスタッフはプロだ。
だからそのやり方で困ることは無いが、
いつも順調なんてことは無いだろ?」
「それはそうですけど…いやっ、あの…
渡部さんの言ってることがさっぱり…」
「モデルは決められた衣装。
決められたメイク、ヘア。
プロの手によって変身させられたら
どんな状況でも笑顔を作ったり、
ポーズをとるだろ?マネキンと一緒だ」
「はぁ…マネキン…」
「けどモデルだって人間だろ?
好き嫌いもあれば気持ちだってある。
その時その時の撮影のイメージを
モデルだって考えなきゃいけないし、
それをスタッフに伝えることも大切。
イメージをもたずただポーズを
とるなんて本当にただのマネキン
だからな」
「あの…やっぱり分からないん
ですけど…」
「雪ちゃんは成田に意見できるか?」
成田…瞳に意見?
「今日は成田がメインで滝には
成田のアシスタントをするように
頼んでおいた。
だから今日の衣装は成田の案ってこと」
「はぁ…それが?」
「成田が今回のイメージを
正確に受け取れないとする。
その時雪ちゃんは意見できるか?」
「瞳が失敗するってことですか?
でも…瞳は留学して勉強してきたし…
そもそも雪はまだモデルになって
短いんだからそんなイメージとかは…」
「雪ちゃんはイメージできるはずだ。
香奈に似てるからな」



